
今回は、わたしが『みんなの日本語初級』の授業で使っている(使っていた)例文(第16課〜第20課)をご紹介します。
全ての文型をカバーしているわけではないので、ご了承ください。また、インドネシア、特にイスラム教徒が多い町での状況を反映した例文が大半です。そのまま使うのが難しい場合でも、例文づくりのヒントになれば幸いです。
目次の例文をクリックしていただければ、補足説明もご覧いただけます。
なお、最近はわたし自身、『みんなの日本語初級』を使って授業をすることはほぼなくなり、代わりに『まるごと』をよく使っています。
第16課
1.フォークを出して、お湯を入れて、3分待ちます。
カップラーメンを食べるまでのプロセスです。インドネシアだと、カップの中にフォークも入っています。
「お湯」は未習なので、事前に導入しています。インドネシア語で「air panas」です。
2.車をとめてから、携帯を見ます。
運転中、携帯にメッセージが入った(pesan masuk saat menyetir)というシチュエーションです。わたしはインターネット上で集めた画像を切り貼りして状況設定をしています。
3.ドラえもんは口が大きいです。ドラえもんは足が短いです。
ドラえもん、ごめん……。
4.Telkomselは電波がいいです。
「Telkomsel」は携帯のオペレーター。日本で言うとドコモのような存在です。
「電波」は未習なので、事前に導入しています。インドネシア語で「sinyal」です。
第17課
1. 6時半までにマグリブのお祈りをしなければなりません。
「マグリブ」は、アラビア語で「日没」。イスラム教徒にとっては、お祈りの時間でもあります。
マグリブの時間は町によって違いますので、適宜変更いただければ。
2.この女の人は、お腹の中にこどもがいます。断食をしなくてもいいです。
わたしは妊婦さんのイラストを見せて状況設定をしています。「断食をしなければなりませんか」と聞くのもいいと思います。
経験上、返ってくる答えはだいたい「tidak perlu(しなくてもいいです)」。
「断食」は未習なので、事前に導入しています。インドネシア語で「puasa」です。
3.ここに車をとめないでください。車はあそこにとめてください。
インドネシアでも、当然駐車禁止区域はあります。そのあたりを状況設定に使っています。
第18課
1.ジャカルタで電車の上に乗ることができました。
今はできなくなっています。
2.インターネットで買い物ができます。
インドネシアでも、ネットショッピングはかなり浸透してきています。
3.イリアナさんの趣味はPasar Burungで友だちと話すことです。
「イリアナさん」は大統領の奥さん。ニュースサイトの記事に「Istri Jokowi Hobi Nongkrong di Pasar Burung」というのがあったので、使わせていただきました。
4.Solariaで食べる前にお金を払います。
「Solaria」は、インドネシアで全国展開しているカフェ。注文と同時にお金を払います。
5.お祈りの前に、手や顔を洗います。
本当は洗うところはたくさんあるそうなのですが、「や」を使って例示しています。
6.ジョコウィさんは○○年前に結婚しました。
「ジョコウィさん」は大統領。1986年に結婚されたそうです。「○○」は適宜ご変更ください。
19課
1.アチェへ行ったことがありますか。パプアへ行ったことがありますか。
「アチェ」州はインドネシアの一番西。「パプア」は一番東。というわけで、ジャワ島に住んでいる人にとっても、特別な経験になります。
2.ルワックコーヒーを飲んだことがありますか。
「ルワックコーヒー」は、コーヒー豆を食べたジャコウネコの糞から作るコーヒー……。ちゃんと作ったものだとかなり高いのです。

3.ラフレシアを見たことがありますか。
「ラフレシア」は世界一大きいと言われている花。経験上、インドネシアでも「ラフレシア」で通じます。
4.携帯で写真を撮ったり、音楽を聞いたりします。
「携帯で何をしますか」、と聞くのもアリです。
5.コンビニでお金をおろしたり、買い物したりします。
こちらも、「コンビニで何をしますか」、と聞いてもいいと思います。
6.鶏肉は高くなりました。
これ、最近のリアルな状況です。
7.ジョコウィさんはお金持ちになりました。
「ジョコウィさん」はインドネシアの大統領。裕福な家庭で生まれ育ったわけではなかったんだとか。
「お金持ち」は未習なので、事前に導入しています。インドネシア語で「orang kaya」です。
8.スネ夫はハンサムになりました。スネ夫は30歳になりました。
これは、数年前に流行ったトヨタのCMのスネ夫の写真を見せた上で提示しています。かなりウケます。
20課
20課は普通形の学習。若干不自然なのですが、よろしければ……。
1.会話例(動詞の普通形)
スネ夫:今日、ジャイアンのコンサートがあるよ。のび太は行く?
のび太:ううん、行かない。スネ夫は行く?
スネ夫:うん、行く。行かなければならない……。
2.会話例(形容詞の普通形)
のび太がスネ夫に話しかけているという状況ですが、スネ夫はセリフ無しです……。
のび太:今日は暑いね。
のび太:昨日は暑かったね。
のび太:今日はあまり暑くないね。
のび太:昨日はあまり暑くなかったね。
のび太:しずかちゃんがすきだ。
のび太:べんきょうが好きじゃない。
のび太:しずかちゃんがすきだった。(大人になったのび太)
のび太:勉強が好きじゃなかった。(大人になったのび太)

ここからは会話バージョン。そして、みんな大人バージョンです。男女で差が出るというのを例示しているつもりです。
スネ夫:今もしずかちゃんが好き?
のび太:うん、好き。/ うん、好きだよ。/ うん、好きだ。
スネ夫:今ものび太が好き?
しずか:うん、好き。/ うん、好きだよ。/ うん、好きよ。
3.会話例(名詞の普通形)
最後、名詞の会話例。こちらも、みんな大人バージョンです。
のび太:スネ夫は今もお金持ち?
出来杉:うん、お金持ち。/ うん、お金持ちだよ。 /うん、お金持ちだ。
しずか:うん、お金持ち。/ うん、お金持ちだよ。 /うん、お金持ちよ。
まとめ
今回は、わたしが『みんなの日本語初級』の授業で使っている(使っていた)例文(第16課〜第20課)をご紹介しました。
他にも、こんな記事を書いています。よろしければ、またお立ち寄りください!



