今回は、わたしが『みんなの日本語初級』の授業で使っている(使っていた)例文(第1課〜第5課)をご紹介します。
全ての文型をカバーしているわけではないので、ご了承ください。また、インドネシア、特にイスラム教徒が多い町での状況を反映した例文が大半です。そのまま使うのが難しい場合でも、例文づくりのヒントになれば幸いです。
目次の例文をクリックしていただければ、補足説明もご覧いただけます。
なお、最近はわたし自身、『みんなの日本語初級』を使って授業をすることはほぼなくなり、代わりに『まるごと』をよく使っています。
第1課
1.野原さん/ひろしさんは会社員です。(クレヨンしんちゃんより)
クレヨンしんちゃんはインドネシアでも大人気。「ひろし」も有名です。インドネシアで一番人気のある会社員キャラ、かもしれません。
2.アングンさんはインドネシア人です。
アングンというのは、インドネシアの歌手です。国連の親善大使でもあり、老若男女を問わず有名です。
有名人と名前を代えればいくらでも文ができますね。おもしろいかどうかは別にして……。
有名人に「さん」をつけるのはどうかなあ、という方は呼び捨てにしてもいいと思います。わたしは他の人を「さん」づけで呼ぶのに慣れてもらおうと思い、「さん」づけにしています。
3.しんちゃんは5歳です。(クレヨンしんちゃんより)
これもクレヨンしんちゃんネタ。Selama-lamanya(永遠に)5歳です。
第2課
1.KBBIは辞書のアプリです。
KBBI : Kamus Besar Bahasa Indonesia(インドネシア語大辞典)の省略。実際は紙の辞書もあるのですが、ここではアプリのアイコンを見せながら説明しています。
「アプリ」は未習なので、事前に導入しています。インドネシア語で「aplikasi」です。
第3課
1.Eigerはかばんの会社です。
Eigerはインドネシアのブランド。登山用品のメーカーなので、ほかに靴やテントなども作っています。
2. (area Provinsi Jawa Barat): 35,222km2
「area Provinsi Jawa Barat」は、「西ジャワ州の面積」という意味です。
これは例文ではないのですが、100万までの数字を学習するので、例えばインドネシアの○○州の人口や面積などなど、意味のある数字を出すようにはしています。
「人口」や「面積」などは当然未習。なので、そこはインドネシア語にして提示しています。そして、単位の読み方は扱いません。
第4課
1.ジャカルタは今10時です。バリは今11時です。パプアは今12時です。
インドネシア国内の時差を利用しています。〜は今何時ですか、にも使えます。
2.マグリブは6時です。
「マグリブ」は、アラビア語で「日没」。イスラム教徒にとっては、お祈りの時間でもあります。
3.CFDは日曜日です。
CFD(シーエフディー)は「Car Free Day」の略。歩行者天国ですね。
CFDがあるかどうかは町によりますが、やっているところはだいたい日曜日のようです。
4.毎朝、5時半にお祈りをします。
「お祈り」は未習なので、事前に導入しています。インドネシア語で「salat/sholat」です。
5.何時に起きますか。何時に寝ますか。(普段/断食月)
起きる、寝る、だけだと新鮮味はないのですが……。
普段の生活について聞いた上で、「Kalau bulan puasa?(断食月は?)」と学生に聞くと、いつもとの違いがわかっておもしろくなります。
6.何時から何時まで断食をしますか。
これは「bulan puasa(断食月)」は、という前提。まあ、断食月でなくても断食をする人もいますが。
「断食をします」は未習なので、事前に導入しています。「を」も「します」も第6課でやっと出てくるので、ここでは1つのフレーズとして扱っています。
第5課
1.金曜日の昼、モスクへ行きます。日曜日の朝、教会へ行きます。
「モスク」「教会」は未習なので、事前に導入しています。それぞれ、インドネシア語で「masjid/mesjid」「gereja」です。
2.バイクで家へ帰ります。
「バイク」は未習なので、事前に導入しています。インドネシア語で「motor」。わたしが住んでいる町では、最もポピュラーと思われる移動手段です。
まとめ
今回は、わたしが『みんなの日本語初級』の授業で使っている(使っていた)例文(第1課〜第5課)をご紹介しました。
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