この記事では、『まるごと日本のことばと文化』の授業用に作ったプリント(テーマ:日本の家族形態)と、それに対する学生の反応をシェアします。
プリントを作った背景
まず、プリントを作った背景をかんたんにご説明します。
『まるごと日本のことばと文化』では、入門A1(L4)と初級1A2(L1)で「家族」について学びます。
今回は初級1A2の授業を実施するに当たり、「日本では単身世帯が一番多い」ということを学生に知ってほしいと思い、プリントを作成しました。
プリント
プリントの内容
プリントは、このような感じでした。
パワーポイントのファイルは、こちらでダウンロードできます。
ただし、MacのKey Noteで作ったものを変換しているので、レイアウトなどが若干ずれる可能性があります。
質問を書き出してみます。
1. ①〜③は、どんな家族だと思いますか。(選択肢: a.夫婦と子ども b.夫婦だけ c.ひとりだけ)
2. インドネシアでは①〜⑤のどの家族が一番多いと思いますか。
3. 日本とインドネシアの家族は何が違いますか。
4.どうして3.の違いがあると思いますか。
ちなみに、グラフの元データは、「日本の家族形態TOP5」を参照しました。
学生の反応
この授業を受けたのはわずか2人だったのですが、質問1に対しては2人とも「夫婦と子ども」の世帯が一番多いとの答え。
一番多いのは単身世帯だと伝えると、びっくりしていました。
ついでに、わたしの町に丸亀製麺が進出しているので、インドネシアと日本の丸亀製麺の座席の写真を見せて、違いを考えてもらいました。
わたしの町の丸亀製麺は2店舗あり、1店舗目はおひとりさま用の席が全くなし。2店舗目は少しあるのですが、やはり大きいテーブル席が大半です。
一方、日本の丸亀製麺は「おひとりさま」用の席が多く、学生もそれにすぐ気づいていました。
ここまでは狙い通りで、うまくいったのではないかと思います。
改善の余地
一方、質問2以降は改善の余地があります。
インドネシアの家族構成についてのデータは見つからず、結局、質問2は「どの家族が一番多いと思いますか」という質問になってしまいました。
これは学生の「思うところ」を聞いており、事実ではありません。
学生も答えにくそうにしていました。「友だちの家族はどうですか」などと聞いて、なんとか答えてもらいましたが……。
質問3と4についても、この「思うところ」をもとに答える形なので、想像の範囲を出ないわけで。
次にこのプリントを使うまでに、インドネシアのデータを探し当てるか、質問を変えるかします。
もしくは、データ自体も変えて、子どもの数か何かにしてもいいかもしれません。
入門A1(L4)では「鈴木まりさん」、初級1A2(L1)では「中村まお」さんの家族が出てくるんですが、ふたりとも5人きょうだいの7人家族ですからね。
家族構成も同じで、お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、弟さん、妹さんとご本人。
まあ、日本語の教科書なので、ありがたい存在なのですが。
まとめ
この記事では、日本の家族形態をテーマに作成したプリントと、学生の反応をシェアしました。
『まるごと』そのものについてはこんな↓記事を書いていますので、よろしければどうぞ。
ご参考になれば幸いです!