この記事では、インドネシアのオンラインタクシー「Grab」の公式Instagramアカウントに紹介されていた美談(と疑問点)をご紹介します。
Grabの投稿
インドネシアのGrabは、Instagramを運用しています。
で、とある日の投稿に、こんな↓美談があったんです。
まとめると、次のようになります。
- バンドンの運転手さん、洗車中に乗客の忘れ物(財布)を発見
- 財布にあった身分証明書から持ち主が「カラワン」在住であることがわかる
- 乗車履歴を見ても誰に返せばいいか分からず
- facebookでカラワンの地方議員さんのアカウントを探し当て、連絡を試みる
- 地方議員さんから返事があり、近々出張でバンドンに来ることがわかる
- 地方議員さん、出張の際に財布を預かる
- 持ち主感動、重要なカードなどだけ返してくれればいい(お金は全額運転手さんにあげてもいい)と申し出る
- 運転手さん、持ち主の申し出を断る
(サト注:バンドン〜カラワンは100km近く)
(サト注:おそらくここで地方議員から持ち主に連絡)
この投稿へのコメントを見ると、好意的なものばかりです。「敬礼もんですわ」とか「わたしやったらお金もらうわ」とか。
この件と関係のないコメント(Grabへのクレーム)もありますが。
わたしも、こんな人もいてるんやなあ、と感心しました。
が、よく考えると、3点ほど疑問に思った点もありまして。
①警察に届けないのか?
まず、わたしが違和感を覚えたのは、乗客の忘れ物を見つけて、「カラワンの地方議員のfacebookアカウントを探した」というところ。
落とし物を警察に届けるのって、日本だけの常識なのかな、と思い、友人に聞いてみました。
道歩いてて、財布拾ったらどうする?
すると、数人とは言え、みんな
警察に届ける。
と答えてくれました。
Grabのケースは道端で拾ったわけではなく、単純な比較はできないのですが、わざわざfacebookで調べた、というところは正直引っかかりました。
何か、書ききれない事情があったのかもしれませんが。
②乗客からの連絡はなかったのか?
次の疑問点は、乗客からGrabに連絡がなかったのか、ということ。
乗客が忘れ物に気づいた場合は、Grabに連絡できるようになっています。
財布には重要なカードなどが入っていたので、乗客→Grab→運転手というルートで連絡があってもおかしくないと思うのですが……。
③運転手さんはGrabに連絡しなかったのか?
最後の疑問点は、運転手さんはGrabに連絡しなかったのか、ということです。
先ほどご紹介したとおり、乗客が忘れ物に気づいた場合は、Grabに連絡することができます。
逆に運転手さんが忘れ物に気づいた場合はどうなるんやろう、と思い、Grabの公式サイトを調べてみました。
すると、「一番かんたんな方法はGrabに連絡すること」とあり、忘れ物を報告するためのフォームまであったんです!
この運転手さんがその「一番かんたんな方法」を使っていないというのは、よくわかりません。
Grabの教育が不十分なのか、運転手さんが忘れていたのか、知ってたけど「自分でなんとかしよう」とがんばったからなのか……。
Grabは美談をアピールするのもいいのですが、忘れ物が戻ってくるかどうか、運転手さんの機転次第というのは、少し怖さを感じます。
まあ、乗客が忘れ物に気づいたら、その時点でGrabに連絡すればいいんですが。
まとめ
この記事では、インドネシアのオンラインタクシー「Grab」の公式Instagramアカウントに紹介されていた美談(と疑問点)をご紹介しました。
疑問点もいろいろ書きましたが、忘れ物が戻ってくるかどうかは、結局運転手さんが正直者かどうかにかかっています。
運転手さんが正直な方というのは間違いないし、とにかく財布が持ち主のもとに戻って、本当によかったと思っております。