この記事では、ジャカルタ空港鉄道の運賃や時刻表などの情報、乗ってみた感想をシェアします。
*てっとり早く時刻表見たい! という場合は公式サイトの時刻表をどうぞ。
空港駅⇄Bekasi駅については、別記事にまとめてありますが、すでに運行終了となっています……。
ジャカルタ空港鉄道の概要
では、まず、ジャカルタ空港鉄道の概要をご説明します。
ジャカルタ空港鉄道は、2018年1月2日に開通した、ジャカルタの空港(スカルノハッタ国際空港)と市内を結ぶ夢の鉄道です!
空港鉄道は、スマトラ島のメダン市のものに次いで、インドネシアでは2都市目。
ジャカルタは「世界最大の駐車場」と言われるほど渋滞がひどいのですが、空港は郊外にあります。
それも、この空港鉄道が全て解決してくれる……はず。
ジャカルタ空港鉄道の路線図
次に、ジャカルタ空港鉄道の路線図です。
空港からのルートは、次のとおり。
Soekarno Hatta空港駅-Batu Ceper駅-Duri駅-BNI City駅-Manggarai駅
BNI City駅は、またの名をSudirman Baru駅といいます。
BNI City駅と、Manggarai駅がジャカルタ市内の駅です。
ちなみに、BNI City駅から、MRTのDukuh Atas駅に乗り換えができます!
MRTについては、次の記事にまとめてあります。
ジャカルタ空港鉄道の運賃
ジャカルタ空港鉄道の運賃は、空港駅⇄BNI City駅だと片道7万ルピア(600円弱)です。
メダンと、お隣の国のクアラルンプール(KL)の空港鉄道とも比較してみると、こんな感じです。
都市 | 路線距離 | 所要時間 | 運賃 | 平均速度 | 1kmあたり運賃 |
ジャカルタ | 36km | 45分 | Rp70,000 (600円弱) |
48km/h | Rp1,944 (16円強) |
メダン | 39km | 45分* | Rp100,000 (800円強) |
52km/h | Rp2,564 (21円強) |
KL | 56km | 33分 | RM55 (1,500円強) |
101.8km/h | RM0.98 (27円強) |
*実勢、在メダン日本国総領事館ホームページより
ジャカルタの空港鉄道は、平均速度は遅いものの、1kmの運賃は最安。
KLの空港鉄道なんて、もはや雲の上の存在ですね……。
ジャカルタ空港鉄道の時刻表
ジャカルタ空港鉄道の時刻表は、公式サイトをご覧ください。
ちなみに、以前はタイミングが悪いと次の電車まで1時間待ちということもあったのですが、ダイヤ改正で、基本的に30分に1本の運行になりました!
また、以前は片道1時間弱だったのが、ダイヤ改正で45分に。
これは停車時間が長かったのを短縮したものと思われます。<
計画では運行時間を40分弱にすると聞いていたので5分ほどオーバーですが……。
それでも以前と比べると25%ほど速くなっているのはありがたいことです。
Googleマップがジャカルタ空港鉄道に対応していることを確認しました!
↓の左上、「その他のオプション」をクリックすれば次の電車の時間を知ることができます。
空港駅→BNI City駅
BNI City駅→空港駅
ジャカルタ空港鉄道の車内の設備
車内の設備については、こちらのボードに説明がありました。
書き出してみますね。
- WiFi
- USBポート
- 優先席
- 荷物置き場
- 監視カメラ
- トイレ
- 液晶テレビ
なかなか充実していると思います。
特にWiFiやUSBポートなんかは、時代にキャッチアップしてるなあ、という印象。
この他に、機内誌ならぬ車内誌(インドネシア語)もありました。
詳しくは、別の記事にまとめてありますので、よろしければどうぞ。
では、次に、わたしが感じた、ジャカルタ空港鉄道のいい点と悪い点をご紹介します。
ジャカルタ空港鉄道のいい点
ジャカルタ空港鉄道のいいところは、「速い・うまい・安い」と言いたいところですが……。
「遅くはない、安全・快適、高くない」と言ったほうがぴったりきそうです。
1.時間通り!
まず、時間通りである点。
冒頭でも触れましたが、ジャカルタは渋滞がひどく、時間を読むのが至難の技なのです。
また昔話ですが、ジャカルタに住んでいた時代、食事会なんかがあるとだいぶ余裕を持って出かけ、だいぶ早く着いてしまうことが何度もありました。
その点、空港鉄道はだいたい時刻表通りに発着してくれていました!
またまた昔話ですが、鉄道での旅行をした際、チケットに発着時刻が分単位まで書いていたのにもかかわらず、2-3時間、派手に遅れてくれたことを思い出しました。
2.安全・快適!
次に、安全で快適です!
この2つは1つにしてしまっていいのかというツッコミもあるも思いますが……。
インドネシア語だとaman dan nyamanと、韻(いん)をふんでいますし、いい点を3点にしたかったのでまとめてしまいました。
話を戻しまして。当然ですが、スリなどに遭う可能性はほぼゼロなんじゃないでしょうか。
しかも乗客はみんな座ってる上、40分ぐらいで仕事をしないといけないし、降りられる(逃げられる)駅も限られているわけですから。
快適さというところでは、エアコン完備で、エアコンがちゃんと効く状態なので、暑いジャカルタでも全く問題なし!
わたし、この電車に乗る前に、ジャカルタの在来線にも乗りました。
でも、もちろん空港鉄道ならそんなことは起こりえません。
チケットを購入する段階で、残りの席数が表示されていたので、みんな座れることになっているからです。
さらに、ご覧ください!
背もたれと背もたれの間に……
「車内設備」のところでご紹介したUSBポートが!
携帯の充電ぐらいなら問題なし、です。
3.高くない!
最後に、運賃ですが、冒頭でも触れたとおりです。
1kmあたりの運賃は、同じインドネシアのメダンや、隣国マレーシアのKLの空港鉄道と比べても安い。
確かに時間はかかるのですが、そこはもう、1.でご説明したとおりです。
ジャカルタ空港鉄道の悪い点
逆に悪い点は、いろんな制限があるところです。
1.支払い方法が限られている(現金なし)
まず、支払い方法。
インドネシアは意外と(というと失礼ですが)キャッシュレス化が進んでいます。
わたし自身、日々の生活で、現金に全く触らない日の方が多いぐらい。
そんなインドネシアの首都ジャカルタの空港鉄道。
チケットの支払い方法は、以下の通りです。
書き出してみますね。
- デビットカード(インドネシアの銀行発行のもの)
- クレジットカード(VisaかMaster)
- プリペイドカード(インドネシアの銀行発行のもの)
- 電子マネー(OVO, Linkaja)
- クーポン(何かの特典のようです)
以上。
現金は使えないということですね。
ちなみに電子マネーのOVOについては、「[インドネシア] 電子マネー「OVO」まとめ! そもそも信頼できるの? 」という記事にまとめてあります。
2.時間帯によって電車の本数が限られる
次に、電車の本数です。開通当初は本数が少なく、1時間半待ち、2時間待ちなんてこともありえました。
今は本数が若干増えましたが、時間帯によって30分に1本のときと、1時間に1本のときがあります。運が悪ければ、1時間待たなければならないということですね。
タクシーに乗れば(そして渋滞がなければ)、1時間で市内に到着できてしまいます。悩ましいところですね。せめて、常時30分に1本はほしいところです。
3.アクセスが限られる
最後に、アクセス。これは2つあります。
空港の各ターミナル⇔駅のアクセスが悪い
空港のどのターミナルからも、空港鉄道の駅に行くのに、わざわざスカイトレインというものを新たに作ってくれています。
時刻表もあり、わたしのときは時間通り来てくれましたが……。
関空のような、2分おきに来ます、という類のものではないということでもあります。
ターミナルと駅をつなぐバスもあるようですが、詳細は確認できておりません………。
ターミナルから市内行きへのタクシーやバスにはそのまま乗れるわけなので、ワンクッション入るのはちょっと厳しいかもしれません。
荷物が多ければ、なおさらです。
しかも2018年6月までに。そうなると、かなり使いやすくなりますね。早く実現してほしいなあ。
ちなみに情報源は、Berita Satuというニュースサイトの記事です。
スカイトレインの増便ですが、2018年9月になるという情報が入りました! detik.comというニュースサイトからの情報で、3〜5分間隔での運行になるとか。同サイトの公式ツイッターアカウントにも、情報が上がっています。
Kereta Ditambah, Waktu Tunggu Skytrain Soetta Cuma 3 Menit https://t.co/wB3pIncQ8U via @detikfinance pic.twitter.com/aSWqUhiNnm
— detikcom (@detikcom) 2018年6月20日
2019年9月にスカイトレインを利用してみましたが、やはり13分に1本のままでした。
増便の話はどこ行ったんや……。
市内の駅⇔市内のアクセスが悪い
それから、市内の駅⇔市内のアクセスもいいとは言えません。
市内にも駅はありますが、2駅のみ。
そこから行きたいところが近ければまだいいのですが……。
広い上、交通事情がお世辞にもいいとはいえないジャカルタ。
空港鉄道を使うとかえって遠回りになるとか、いらぬ渋滞に巻き込まれるというケースもかなりあるに違いありません。
そう、今回のわたしのように……。
今回、わたしは全線開通日に乗ったよ、と言いたいがために、わざわざタクシーに乗ってわざわざ渋滞に巻き込まれたわけです。
ともかく、ここは市内の交通網の一段の整備が必要ですね。
KLも市内の駅は1つだけですが、その駅までは各種交通機関が乗り入れていて、アクセスのよさが半端ないのです。
ジャカルタ市内の駅、たとえばBNI Cityには電車とトランスジャカルタ(エアコン付きで、専用レーンを走るバス)でアクセス可能ではあります。
MRTが開通して、BNI Cityのすぐ近くに駅もあるので便利にはなりましたが……。
MRTで行けるエリアがまだまだ限られているんですよね。
トランスジャカルタも白昼堂々日本人が強盗にあったという話も聞くので、おすすめできませんし。
まとめ
そんなわけで、ジャカルタ空港鉄道は、こんな場合におすすめです。
☑︎市内の駅またはMRTの駅の近くに用事がある
☑︎電車に乗ること自体に価値を見出せる
☑︎電車で本でも読みながら過ごしたい
☑︎荷物が少ない(空港についてから、スカイトレインの駅まで5分強歩くため)
うーん、これ以上思いつかない、ということは、そこまでおすすめできないということですね(笑)
ただ、今後運行時間が短くなれば、本数がさらに増えて利用しやすくなるかもしれません。そうなるよう、全力で祈っておきます。