この記事では、『まるごと日本のことばと文化 初級1A2 かつどう』トピック8「けんこう」の授業で行った活動をシェアします。
国別の平均余命(世界/ASEAN)をグラフ化して、質問をいくつか投げかけてみました。
プリントを作った背景
まず、プリントを作った背景についてご説明します。
学生に知ってほしかったのは次のポイントです。
- 平均余命が長いのはどの国か
- インドネシアの平均余命はどのくらいか
- インドネシアの平均余命はASEANで何番目に長いのか
グラフの作成にあたっては、WHOの「World Health Statistics 2018」を参照しました。
プリントと学生の反応
プリントは、A4サイズ1枚で、グラフは2点に。
平均余命は男女別にはせず、国全体の数字をグラフにしました。
パワポのファイルはこちらでダウンロード可能です。
Apple社のプレゼンソフトで作成したものを変換したためか、パワポのファイルでは小数点以下の数字が表示されておりません……。
また、この授業に来てくれた学生は6名でした。6名のクラスなので、これでも全員出席です。
1点目のグラフ(グラフ1)
では、まず1点目のグラフ(グラフ1)です。
質問を書き出してみます。
1.(グラフの)①〜③はアジアの国です。どこの国だと思いますか。
2. Harapan Hidup(平均余命)が長い国は、どんな特徴がありますか。
選択肢は3つあり、「a. インドネシア」「b. 韓国」「c. シンガポール」「d. 日本」でした。
ちなみに、答えは以下のとおりです。
- d. 日本
- c. シンガポール
- b. 韓国
質問1.から見ていきましょう。空欄は3つで、選択肢は4つだったのですが、「a.インドネシア」を選んだ学生はいませんでした。
みんな、b〜dの順番に頭を悩ませていたということですね。
そんな中でも、6名中3名が、「d.日本」を空欄①(第1位)に入れて正解。
また、空欄①に入れなかった3名のうち2名が、空欄②(第4位)に入れていました。
少なくともこのクラスの学生は、だいたい「日本人=めっちゃ長生き」というイメージがあるようでした。
質問2.では、平均余命が長い国の特徴を聞いてみました。
みんな「先進国」と言っていたのですが、わたしが「アメリカは入ってないですよね」と言うと、考え込んでしまいました。
そのあと、どうしたか記録にも記憶にも残っていなかったりします……。しまったなあ。
次は、2点目のグラフ(グラフ2)です。
ASEAN10か国だけ抜き出し、こんな質問をしてみました。
1.(グラフの)①〜④は、ASEANの国です。どこの国だと思いますか。
2.インドネシアのHarapan Hidup(平均余命)は、これからどうなると思いますか。どうしてですか。
1.についてはASEANの国ということで、選択肢はなし。
答えは、↓のとおりです。
- ベトナム
- マレーシア
- インドネシア
- ラオス
学生の答えですが、シンガポール、ブルネイに続く第3位(空欄①)に、6名中5名が「マレーシア」を選んでいました。
実は、わたしもそんなイメージを持っていました。
でも、実際にはベトナムが第3位。これには学生も驚いていましたし、わたしも準備をしながら「意外やなあ!」と思ってしまいました。
正解を伝えたあと、Googleで「ベトナム料理」をキーワードに画像検索した結果を見せて、インドネシア料理との違いを考えてもらいました。
そして、「同じようなものもあるが、野菜を使った料理が多い、これがひとつの要因ではないか」という結論に達しました。
質問2.では、インドネシアの平均余命が今後どうなると思うか、という質問に対し、6名中5名が「短くなる」との答えを選択。
もう1名も「変わらない」との答え。「長くなる」と予想する学生はいませんでした。
「短くなる」と答えた理由は、↓のとおりです。
- ファーストフードなど、体に悪い食べ物を食べすぎているから(4名)
- こどももタバコをすっているから(1名)
個人的には、平均余命はインドネシアでも長くなると予想しています。
医療の発達と、健康に対する意識の変化がその理由です。
なので、学生の答えは新鮮でした。
ただ、健康に対する危機感はほぼ全員が持っているということでもあるので、少なくともこのクラスの学生は長生きしそうです。
まとめ
この記事では、『まるごと日本のことばと文化 初級1A2 かつどう』トピック8「けんこう」の授業で行った活動をシェアしました。
『まるごと』そのものについてはこんな↓記事を書いていますので、よろしければどうぞ。
ご参考になれば幸いです!