今回は、インドネシアの振り込め詐欺をご紹介します。
手口
振り込め詐欺の手口はいたってシンプルで、特徴は3点。
- 携帯のショートメッセージ(SMS)を利用
- 内容は定型(「こちらに振り込んでください」*+「口座番号」+「口座名義」)
*ない場合もあり - 金額は書いていない
と思われた方、わたしもそう思っていました。でも、インドネシアの状況を考えると、騙される人は一定数いると思われます。
SMSでの振り込め詐欺が効果的?な理由
SMSでの振り込め詐欺が効果的だと思われる理由は、「オンラインショッピングの支払いは振込が一般的」だからです。
インドネシアではクレジットカードがまだまだ普及していません。
また、SNSを通じて個人から物を買うことも多く、この場合は特に振込で支払いを済ませることが普通です。
注文直後にたまたま口座番号などが入ったSMSが届くと、そのまま払ってしまう、というケースが一定数あると思われます。
わたしの日本人の友人(以前インドネシアに在住)も、飛行機のチケットをネットで注文した直後にそういうSMSが届いて、あやうく騙されそうになったと言っていました。
SMSに金額が書いてあればそこで一歩立ち止まって確認できるんですが……。はじめにご紹介したとおり、口座番号と口座名義しか書いていないあたりも巧妙ですね。
口座番号は全部生きていた!
ここで試しに、わたしの携帯(2台)残っている怪しいSMSを探して、口座番号が本当にあるのかどうかを検証してみました。
わたしは詐欺っぽいSMSが来たら反射的に削除してしまうんですが、運良く(?)下の日付に受信した6通が残っていました。
- 2017年5月31日
- 2017年8月5日
- 2017年9月5日
- 2017年11月20日
- 2018年1月25日
- 2018年2月8日
インターネットバンキングで口座番号を入力すれば、名義も全部確認できます。
すると……この通り。写真で赤丸をつけているのは、口座名義と、口座番号です。
①のSMS
①の口座番号確認
②のSMS
②の口座番号確認
③のSMS
③の口座番号確認
ここには3つだけ載せましたが、ほかの口座も全部生きていて、名義も全て一致! かなりの衝撃を受けました。
残りの3つは、この記事の最後に載せておきます。
振込先の銀行は全てBRI
さらに、SMSは6通でしたが、なぜか振込先に指定されているのは、全てBRIという銀行の口座。組織ぐるみなのかな……。
わたし、携帯は2台持っているんですが、両方にこういうSMSが来るんです。で、振込先は必ずBRI。
なので、たまたま1つの番号だけが狙い撃ちされているというわけでもありません。
銀行口座が凍結されない理由
と思われた方、わたしもそう思いました。
手元に残っているSMSは一番古いのが約1年前のものだったし、そんな口座が今も残っているというのは信じられない気持ちでした。
しかし、SMSの内容からすると、詐欺という証拠にはなりません。
仮に問い詰めたところで「あ、電話番号間違えてSMS送ってしまいました。すんませーん」とか言われたら、それまでですしね……。
なので、本当に詐欺かどうかも厳密には怪しいところです。
ただ、SMSを使い、文面が同じで、振込先の銀行まで全て同じというのは、偶然にしてはできすぎですよね……。
対策
対策としては、こんな感じでしょうか。
- 知らない番号からのSMSに口座番号などが書いてあっても無視
- オンラインショッピングで注文をした際は、必ずそのサイトで振込先を確認する
- SNSで注文した場合は、必ず売り手本人のアカウントに連絡して振込先を確認する
個人的には、日本の方はいい意味でガードが固いと感じているので、どれも当たり前のことかもしれません。
まとめ
今回は、インドネシアの振り込め詐欺をご紹介しました。おそらく「こんなのに騙されるの?」という方が大半だと思いますが、念のため気をつけましょう。
おまけ
上でご紹介しきれなかったSMSと、口座番号確認結果を載せておきます。
④のSMS
④の口座番号確認
⑤のSMS
⑤の口座番号確認
⑥のSMS
⑥の口座番号確認