わたしは9年間の滞在の中で、1回だけ強盗に遭ったことがあります。
今回は、その時のお話をシェアします。
現場はミニバス車内
2011年のある日。仕事が終わり、夜9時過ぎに帰路につきました。
当時、オンラインタクシーはもちろん、安全が売りのブルーバードタクシーもまだわたしの町には進出しておらず。
安心して乗れるタクシーも1社だけあったのですが、そのときは全くつかまりませんでした。
と思い、とぼとぼ歩いていたら、Angkotが来たんです。
Angkotというのは乗り合いのミニバス。こんな↓やつですね。
Pelayanan Pagi
Laporan dari titik padat arus lalu lintas ramai lancar, saat ini kondisi hujan merata Kota maupun wilayah utara selatan pd ruas utama. Angkot pelajar gratis terlayani sempurna.
Selamat beraktifitas.. pic.twitter.com/d9qUAsMne1
— DISHUB BANYUWANGI (@dishub_bwi) 2018年11月6日
車内はこんな↓感じになっています。
オレンジ色の矢印は、乗客用のドアです。
茶色の部分が座席。座席は助手席か後部座席で、後部座席は「コ」の字型になっていることが多いです。
後部座席の様子も、写真があったので載せておきます。けっこう狭い空間です。
Naik angkot in Bandung 😋 pic.twitter.com/vZzVf7XYsv
— Kylie Wang Ching Mun (@KylieoftheWang) 2018年11月13日
Angkot乗車〜被害に遭うまで
何はともあれ、絶妙のタイミングで来たAngkot。「ちょうどええわ」と思い、乗り込みました。
できれば助手席のほうがよかったんですが、先客がいたので、後部座席に。
そこには、おばあちゃんと、男2人組がいまして、わたしは空いている席に座りました。
そして、順調に自宅に近づいていたのですが、曲がらないはずのところで曲がりまして。
ちょ、ちょっと、ここで降ろして!
と大声でアピールするも、時すでに遅し。
どうも、おばあちゃんが、荷物をめちゃくちゃ積んでいたので、特別に家の前まで送るように頼んでいたみたいなんです。
おばあちゃんの家に着き、ボーッと座っているのも申し訳ないので、外に出て、荷物をおろすのを手伝いました。
男2人はなーんにもしてなかったんですけど。
で、車内に戻ろうとすると、こんな↓フォーメーションを組んでまして。
これ、やばいやつでは……と思ったのですが、乗らないという選択肢はなかったので、渋々乗り込みました。
もう、この↓ポジションしかありません。運転手さんの真後ろなので、何かあっても大丈夫かな……と思いつつ着席。
酒臭いな、こいつら……と思っていると、めっちゃ話しかけてきました。
兄ちゃん、どっから来たんや?
……パレンバン。
パレンバンはスマトラの都市です。
その昔、とある人に、「何かあったときは、自分が日本人であることは隠して、「パレンバン出身」とでも言っておいたほうが身を守れる」と言われていたんです。
なんでそんな怖がってるんや。
いや、別に……。(そら、怖いわ! 酒臭いし、明らかにフォーメーションおかしいし)
そんな態度取ってたら、こっち気分悪いんですけどー!
どこの世界でも、いちゃもんのパターンって同じなんでしょうか。とか思っていると、いよいよ来ました。
ちょっと携帯見せてーや。
け、携帯っすか!?
その時持っていた携帯は、iPhone3G。「S」もついていないやつです。それでも、当時はめちゃくちゃ大事に使ってました。
イヤですよ、そんなん。
……と断ったものの、よく見ると、男の1人が、ドライバー(工具の方)をこっちにつきつけてきたのです! 車内に転がっていたのでしょう。
う、運転手さん! この人たち、なんか変なんですけど!!
と、フォーメーションの関係でめっちゃ近くなった運転手さんにアピールしたんですが……。
ガン無視でした。助手席の人も、同じくスルーです。
そこで、とある研修で学んだことばを思い出しました。海外に出る前に受けた研修です。
「命とお金と、どっちが大切ですか」
携帯はお金で買えるな……
と思い、愛しのiPhone3Gを差し出したわたし。
が、当時はスマホ自体が珍しく、操作方法もわからなかったようですぐに戻ってきました。
安心した? 携帯なんか取るわけないやん!
と、やたら「携帯なんか」というところを強調してくる男。
(操作方法わからんくせに……)
携帯が戻ってきて、安心したのも束の間でした。
財布見せてくれや。
(き、きた。)
見るだけやって。携帯も返したやん!
もはや拒否もできません。「命とお金と……」の件も思い出してましたし、素直に差し出しました。
すると、大声でお金を数え始める男。そして、財布だけは返してくれましたが、現金はすでに抜き取られていました……。
今思うと、わたしがおばあちゃんの荷物を降ろすのを手伝っているときに、運転手と話をしていたのかもしれません。
そして、お金を数えながら、「これだけあるで! 」と運転手に大声で知らせていたのでしょう。
もう、運転手「さん」と書くのもイヤになってきました。
たしか70万ルピアぐらい入っていたので、当時でもビールの大瓶20本ぐらいは買えたはず。
そして、ターミナルに着く直前に男2人は下車し、ターミナルで運転手がしらじらしく「どうしたんや?」とか聞いてきました。
その後のことはあまり覚えていないのですが、20分弱かけて歩いて帰ったと思います。
その後
そんなこんなで、初めての強盗に遭ったわたし。
ケガがなかったのが、不幸中の幸いでした。
この件を勤め先の出資者に伝えたところ、「以後タクシーで移動するべし」「タクシー代は経費で落とすべし」とのありがたすぎるお達しが。
70万ルピアは失ったものの、いい方向に進んだのではないかと思っております。
もちろん、この1件以来、Angkotには一切乗っておりませんし、強盗にも遭っておりません。
まとめ
この記事では、インドネシアでの強盗被害についてシェアしました。
ご参考になれば幸いです!