今回は、『みんなの日本語初級』第49課、尊敬語を扱うに際して、教室でやっていることをご紹介します。
最近は私自身、『まるごと』を使うことが多くなり、『みんなの日本語』を使う機会はめっきり減りましたが……。
48課までの復習
尊敬語を扱う前に何をやっているか。それは、第48課までの尊敬語の復習です。
たしかにがっつり扱うのは49課なのですが、それ以前にも、特に会話で表現としては出てきていますね。
例えば……。
1. どうぞお上がりください。(7課)
2. 少々お待ちください。(13課)
3. どちらにいらっしゃいますか。(15課)
4. お父さんもいらっしゃいますか。(40課)
など。というか、これで全部かも……。
とにかく、このあたりを、教え方の手引きに付属のCD-ROMに収録されているイラストを見せつつ、
・話し手と聞き手の関係
・誰がするか
……を学生に聞くようにしています。
例えば2.だと、注文を取った名もなき店員がミラーさんと山田さんに待つように言っている場面なので、
・店員とお客(ミラーさんと山田さん)という関係
・お客が待つ
……といった具合です。
……というメッセージを送ることで、少し心理的な負担をやわらげているつもりです。まあ、それでも定着はなかなか難しいんですが……。
まとめ
というわけで。『みんなの日本語初級』第49課の尊敬語を扱う前に、それまでに習ってきた会話表現に含まれる尊敬語をおさらいしている、という話でした。
大したことではないかもしれませんが、何もなしでいきなり「新しいことを勉強するのか……先輩も49課は難しいって言ってたなあ……」と思いながら勉強するよりはマシになると思います。
あと、↑でご紹介した会話のイラストは、『みんなの日本語初級 教え方の手引き』に付属のCD-ROMに入っています。昔は紙の本しかなく、いちいちスキャンしていたことを考えると、便利になったものだなあ、と思います。